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十二支の動物たちと共に

平成28年は申年です。干支は日本人のなかに完全に溶け込んでいて、子どもたちは、「ね、うし、とら、う・・・」の十二支は実に簡単に覚えてしまいます。自分や家族が何どし生まれかもすぐに言えるようになります。十二支は子どもたちが最初に出会う暗記の練習なのかもしれません。

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そういえばみなさんはご自分が初めて干支を覚えたときの記憶はありますか?私は自分が全部言えるようになって得意だったときのことをまだうっすらと覚えています。ねずみが猫をだまして1位になったお話も母から聞いて、「だから猫は今でもネズミを追いかけています」というオチに妙に納得した記憶もあります。
 
絵本にも十二支の成り立ちのお話はたくさんありますが、今日ご紹介するのはそれとは違って、十二支の動物たちがおせち料理を作るお話です。川端さんの創作絵本で、日本の伝統的なお正月が描かれています。
 
「十二支のお節料理」(川端誠作 BL出版)



一年の終わりに、お正月準備が始まります。年神様が十二の動物を選び、順番に係を決めます。ねずみは家の掃除と正月の飾りつけ、うしは材料を選んで運ぶ係、とらは千里を走って方々の国から珍しい食べ物を運びます。こうやって十二支の動物たちがそれぞれの能力を活かして働き、最後のいのししが生ごみや火の始末をしてお正月準備が終わります。
 
やがて年が明け、きれいに飾り付けられた部屋に立派なごちそうが並び、そして十二組のカップルが盛装でかしこまって勢ぞろい。なにもかも新年のめでたさに輝いていて見事です。

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川端誠さんの版画は力強く、でもどこか愛嬌があって、動物たちはそれぞれとても楽しそうに働いています。画面いっぱいにお料理や道具が描かれているのも魅力で、細かいところまで見て楽しめます。この絵本は大勢に向かって読むのもいいのですが、少人数に向けて、1ページ、1ページ、絵を見て、自分の干支が何の係か話しながら読むのもおすすめです。ちなみにさるはお料理の係。ひつじが下ごしらえをした材料を料理していきます。今年はおいしいお料理にありつけるかもしれませんね。

今ではこんなにきちんとしたお正月を過ごしている家庭も少なくなってきていると思いますが、だからこそ、こんな絵本で昔のお正月をなぞってみるのもいいものです。
 
他には「もうすぐおしょうがつ」(西村繁男作 福音館書店)にも一昔前のお正月準備の様子が描かれています。


コラム作成者:鳴門教育大学附属図書館児童図書室  森下雅子

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鳴門教育大学附属図書館児童図書室
 知らない方も多いのですが、鳴門教育大学の児童図書室は、子どもさんはもちろん、保護者の方たちや、一般の大人の方など、どなたでも利用できる図書室です。最近はブックスタートの影響もあってか、赤ちゃんの来室も増えていて、スタッフ一同目じりが下がりっぱなしです。
開室日は大学の通常期は水曜日、土曜日、日曜日、祝日。休業期(夏休みなど)は水曜日のみ。時間は午後1時から4時まで。今は川上さんという優しい女性がカウンターで出迎えてくれます。また学生さんたちがボランティアで子どもたちと遊びに来ていてとてもにぎやかです。学生さん主催で、夏には七夕会、12月には冬のお楽しみ会が開催され、毎年大勢の参加者で賑わいます。他にも「わらべうた講習会」や「絵本のワークショップ」などのイベントも好評です。
所蔵されている絵本や児童文学は子どもさんから大人まで楽しめる、厳選されたものばかり。ぜひ一度のぞきに来てみてください。

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