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抱きしめたい絵本『くまのコールテンくん』

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表紙は全面「あかね色」と表されるような柔らかい赤で、上部に黄色の文字でタイトルが書かれ、その下中央に茶色のくまのぬいぐるみコールテンくんが、緑色の吊りズボンをはいて立っています。ズボンの片方のボタンは取れています。この絵を見ただけで何とも愛しい気持ちになるのは、主人公コールテンくんのキャラクターを余すところなく伝えてくれているからでしょうか。この色使いも相まって、クリスマスから年末、そして寒い冬へと続く季節になると、暖かさを求めて手に取りたくなる絵本です。

 

 コールテンくんとリサの出会い、真夜中の冒険、そして何とも幸せな結末、と続くお話は、幼い子にとっては少々長い物語かもしれません。でも読んであげると、ずっとコールテンくんの気持ちに寄り添うようにじっと聞いてくれ、しっかり絵を見ています。そして読み終わると、ほっと安心したような空気が漂い、聞き手はとてもいい表情を見せてくれます。これぞ読み聞かせの醍醐味!絵本を抱きしめたくなる瞬間です。

 絵のタッチはとてもシンプルなのに、表情、特に目が物語っている内容が濃くて、絵に見入っている幼い子どもたちは、きっとそれをしっかりとらえているのでしょう。コールテンくんはぬいぐるみですが、表情豊かに動き回るし、同じくおもちゃ売り場の棚に並べられた人形やぬいぐるみたちも、動かないけれど生きているかのよう。子どもたちを絵本の中に誘い込む描き方だなあと思います。そして何より、コールテンくんの愛らしさ、リサの優しさが心にしみます。

 作者のドン=フリーマンの絵本は、他に『くまのビーディーくん』『ターちゃんとペリカン』なども、子どもたちと楽しんでいます。

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コラム作成者:おはなしのポケット 佐々木 英子

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