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『かお かお どんなかお』 でにらめっこ

今回は、赤ちゃんから大きくなるまで長く楽しめる絵本を紹介します。

『かお かお どんなかお』 (柳原良平 作 こぐま社)
「かお」「かおにめがふたつ」「はなはひとつ」「くちもひとつ」で完成する「かお」。
ページをめくると、「たのしいかお」「かなしいかお」と、ページをめくるごとにいろいろな「かお」があります。柳原さん独特の切り絵で構成された「かお」の数々は、それぞれ個性的で、それぞれの様子に応じた形、表情をしています。

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私は、「あまーいかお」が好きです。なんともあまーい顔なんです。本当に甘いものを食べて幸せな時ってこんな顔をするよねって顔をしています。子ども達は「いたずらなかお」が大好きでした。悪だくみをしていそうで、私はちょっと怖いのですが、子どもたちは必ずこのページで笑っていました。いたずらっ子たちのハートをつかんだのでしょうね。

赤ちゃんの頃は、「めがふたつ」「はなはひとつ」と子どもの顔を指さしながら読み、そのうち子どもが自分で指さすようになり、もう少し大きくなってくると、それぞれのページの顔を真似するようになり、私も読みながら一緒に真似するので、いつもどのページもにらめっこ状態で、大笑いでした。

難しいのは「たくましいかお」で、「たくましい顔ってどんな顔かな?難しいな。」と腕を組んでみたりするのですが、なかなかたくましく見えません。絵本の中の「たくましいかお」は顔だけで本当にたくましいので、「たくましいかお」だけはいつも絵本の「かお」の勝ちでした。

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このように、1冊の絵本でも子どもの成長に応じて読み方を変えると、また違った楽しみ方もできます。お母さんが読むのとお父さんが読むのとではまた違った面白さがあったりと、読み手によっても変わってくるので、面白く奥深いものです。皆さんもいろいろと試して、楽しんでください。

なお、にらめっこが好きなお子さんには、『にらめっこ』(杉田豊 作 講談社)もおすすめです。

コラム作成者:鳴門教育大学付属図書館児童図書室 川上 稚草

 

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