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親としては、思わずうなってしまいます・・・。『あかちゃんおうさま』

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今回紹介するのは、最近『ママがおばけになっちゃった!』で人気の、のぶみさんの、2005年に出版された絵本です。
この本も、のぶみさんの絵本らしい、子育て中の親が思わずうなってしまう内容になっています。
『あかちゃんおうさま』(ぶん・え のぶみ そうえん社)

あかちゃんおうさまは、生まれてすぐに王様になりました。

最初、あかちゃんおうさまには、ご飯を食べさせてくれる人やトイレのお世話をしてくれる人、何もしなくてもほめてくれる人がいて、それを当り前だと思っていました。

でも、大きくなるにつれて、ほめてくれる人もトイレのお世話をしてくれる人もご飯を食べさせてくれる人も出て行ってしまいます。もちろんそのたびにあかちゃんおうさまは怒って命令するのですが、「おうさまはもうだいじょうぶ。」と言って出て行ってしまうのです。
そしてとうとうあかちゃんおうさまがすっかり大きくなって、赤ちゃんではなくなると、住んでいたお城からも追い出されてしまいます。
あかちゃんおうさまは怒って泣いて、そのままお城の前で眠ってしまいました。
目覚めたおうさまの前に現れたのは…。

この絵本を読んだ時の子どもたちの反応は、最初の「あかちゃんおうさま」の設定に笑ったり、「すぐに王様になって大丈夫なん?」というのが多く、続いて、お世話係さんたちが出て行く場面で「かわいそう。」という雰囲気になり・・・というのが多くあります。
子どもたちはあかちゃんおうさまの立場なので、こういう反応になると思うのですが、おもしろいのが、一緒に聞いてくださっている先生方の反応です。男女関係なく、読み終わった後に「うーん。」とうなったり、「ふーっ。」と大きく息を吐いて、私と目が合うとお互いに「わかります。」という感じでほほ笑みあうという具合です。
子育て経験のある方、子育て中の方の読後感はきっと同じ様になると思います。
我が家のあかちゃんおうさまも、ちょうどお世話係さんたちが出て行ったあたりの年頃です。
小さい頃のように、何もしなくてもほめるということがなくなって久しいですが、将来お城を出て行った後もしっかりと生きていけるように、私の人生で学んだ大切なことを伝えて、ほめるべきところをきちんとほめて伸ばしていきたいなと思っています。
そして将来、我が家のあかちゃんおうさまも、「おひめさまじゃないけれどきれいなおんなのひと」や「しごとをがんばってやっていたので、ほめてくれるひと」に出会えますようにと祈っています・・・。

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コラム作成者:鳴門教育大学付属図書館児童図書室    川上 稚草

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