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いざという時を想像する大切さ

皆さんのおうちでは、子ども達と一緒に過ごす時間は、どのくらいありますか?
乳幼児の頃は、ほぼ一日中、同じ時間を同じ場所で過ごしていたのが、保育所、幼稚園、そして小学校へと、年齢があがるにつれて、子ども達と過ごす時間はぐんと減っていきます。


これは、同じ時間を過ごすことが大切というお話ではなくて、そういう環境の中で少しの時間を使って想像してみませんか?というお話です。
私は今年の春から、防災士になるための講習を受講し始めて、この”想像すること”の大切さを痛感しました。

写真1

例えば...

  • 保育所への送り迎えの途中、大きな地震が来たら
  • 子どもたちが小学校にいる時に、大津波警報が発令されたら
  • 子どもたちだけでお留守番している時に、豪雨による避難勧告が出たら
  • 大人たちが帰宅困難者になったら

あなたはどうしますか?

災害に備えて、さまざまな備えをしておくことは大切なことです。
小さい子ども達がいる家庭ならなおさらのこと。
それぞれの立場にあった非常持ち出し袋を準備することはとても大切なことです。
ただ、重要なこととわかっていても、非常時に向けた準備をすることは、毎日を過ごす中でなかなか落ち着いて向き合えないことのひとつであることも事実です。
私もいつかしないとなあ...で済ませて今まできていました。
備蓄の食料や避難した後に必要になる物を買ったり、大きなリュックにそれを詰めることも大変だなと...ストップしていました。
そんな私と同じ気持ちの方がいたら、まずは、子ども達を守るために自分が生きるための備え、”想像する”ことをしてみてはいかがでしょうか。
いまは私も、想像して行動に移そうとしているひとりです。

防災・減災を考える中で、「自助・共助・公助」という言葉があります。
これは阪神大震災からの教訓で、災害による被害の発生を防ぐためには、自分の命を自分で守る”自助”が7割、家族や近隣の方に助けてもらう”共助”が2割、自衛隊や消防、警察などによる”公助”が1割と言われています。

イコール、自分で自分の命を守るためには、自分たちでどうすれば良いか考える必要があるということです。
これは子ども達も一緒。
私たちが一番、私たち自身のことをわかっています。

  • 自宅・学校などの耐震は大丈夫?
  • 大きな揺れで倒れてきそうな家具はない?
  • ここには何分後に津波がくるの?
  • 浸水想定ってどのくらい?
  • 今いる場所から避難するならどこ?
  • 子どもと合流するのはいつ?どこで?
  • 安否確認はどうやってしよう?
  • 避難所で子ども達が食べられる物ってあるの?

さまざまなポイントで想像してみる必要がありそうです。

また、東日本大震災の時には、”避難三原則”をベースに防災教育を行っていた釜石市の児童・生徒たちによる避難行動により、周辺住民の命も救ったというお話があります。
その”避難三原則”とは、

  • 原則1:想定にとらわれるな
  • 原則2:その状況下で最善を尽くせ
  • 原則3:率先避難者たれ

カクカクした言葉が並んでいますが...
大きな揺れを感じた後、児童・生徒それぞれが、命を守るためにどのような判断をしてどのような行動をしたのか、興味がある方はぜひ調べてみてください。
こういったことが全ての状況に当てはまるとは限りませんが、普段から”いざという時”を想像しておくことが、自分の命、そして家族の命、友達の命を救うことにつながっているのだと思います。

大阪北部地震、西日本豪雨...
今年は今までに考えられなかったような災害や、それによる二次災害が発生しています。
今もなお、当たり前にあった生活が戻らない方々もたくさんいます。
そういった現実を、大人がしっかりと受け止めた上で、子ども達に恐怖だけを伝えるのではなく、家族で集まったときの話題のひとつとして、災害をより身近なものとして、それぞれの家族にあった”いざという時”の想像をしてみてはいかがでしょうか?
きっと必要な物や必要な情報がよりリアルに見えてくるはずです。

そうした想像したことを、頭の隅っこに置いておくと、100円ショップに出かけたついでに重宝しそうなアイテムを探してみたり。
子どもがお気に入りのリュックを、子ども用非常持ち出し袋にしてみたり。
登園リュックに子どもの体に関する情報を書いたパーソナルカードを忍ばせておいたり。
家族写真を入れておいたり。
無理なく、”いざという時”に備えて準備ができる...かもしれないですよね。
私もいま少しずつ形にしていっているところです。

写真2

徳島県では、想像の材料におすすめのハザードマップなどを公開しています。
はぐくみネット内の防災コラムも、子どもと暮らす中での防災のお話がたっぷりです。
この機会にぜひご覧になってみてくださいね。
次のアクションへとつながる新しい発見がたくさんあるはずです!

 

コラム作成者:エフエムびざん 瀬戸恵深

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