ママ防災士の瀬戸恵深です。
普段は、徳島県内で子育て中の方や子どもたちを対象にした防災講座の講師を務めたり、
ラジオで情報発信をしています。
私自身も1児の子育て中の母親ですので、防災について同じような立場の皆さんと
お話をする中で、感じる課題や想いがいくつかあります。
まず、子育て中のお母さん・お父さんは、目の前に自分の命にかえてでも守りたい命がいて、
そのために災害への備えをしなければいけないことを充分理解されている方が
多くいると感じています。
しかしその一方で、子どもたちとの暮らしは毎日がハプニングの連続。
色々やらなければならないことに時間を追われ、災害への備えを何から始めれば良いのか、
どの程度すれば良いのか、具体的なイメージが掴めずにいるまたは、手を付けられずにいる。
そういった方が多くいるということも事実です。
何を隠そう、私もそういった子育て中のママのひとりです。
普段ママ防災士として活動をしてはいますが、100%の備えには到達していないと断言できます。
まずは、知ることでできる備えや考えることでできる備え。
そして物の備えとは、できることからひとつずつ積み重ねていっているところです。
今日は、そんな私が考える、普段使っているものに少し足すだけで災害への備えになる!
+αで不安が和らぐ「防災の視点」をお伝えします。
今回のテーマは「マザーズバッグ」です。
ママ・パパは既に備えの達人!
マザーズバッグを非常持ち出し袋に変身させましょう!
ママたちは、常日頃からマザーズバッグにお子さんの"もしも"に備えて
必要な物(着替え、おむつ、ミルク、お菓子、ハンカチ等など)をたっぷり詰め込んで
お出かけされています。
半日くらいの外出なら慣れっこですよね◎
では、そのマザーズバッグ、どのくらいの重さあるかご存知でしょうか?
実際に何人かのお母さんにご協力いただき測ってみると約2.5〜3.5kgありました。
重さを数値化した上で、ではその
- マザーズバッグに入っているものは?
- それで避難したらどのくらいの時間子どもと過ごせる?
- そこに足すとしたら何を足す?どれだけ持てる?
これを少し考えてみましょう。
次に「何を足す?」という問いの参考になりそうなものを用意しました。
よく防災の本などに書かれている赤ちゃんがいる家庭の非常持ち出し袋の中身です。
私が実際のカバンに詰め込んでみて、重さを測りました。
中身はこちらの写真↓
避難に必要といわれているこちらの荷物。
オムツが20枚、水が2リットル等など盛りだくさんの内容です。
測ってみると・・・重さなんと5kg近く。
正直めちゃくちゃ重たいです。
- 3~15kgある子ども
- 2.5〜3.5kgあるマザーズバッグ
- 5kgある非常持ち出し袋
普段から抱えている1.と2.ならまだしも、そこに3.を足して逃げるって、正直どうでしょう?
全くもって現実味がありません。
大雨や台風のように、時間に余裕のある避難であれば、5kgの非常持ち出し袋も持って
避難できると思いますし、必要な備えではあるでしょう。
しかし!!
地震や津波からの一刻の猶予もない避難を考えると、重い荷物を持って逃げるのは
果たして正しい備えでしょうか?
答えは「NO」です。
備えだぁーと言って、重い荷物抱えて逃げる速さが劣るくらいなら、荷物を持たずに
命を守るための超ダッシュできたほうが良い!
一番大切なのは物ではなく命です。
非常持ち出し袋リストを見て、たくさんのものを備えなきゃと思って、
備えのハードルを上げてしまうくらいなら、
マザーズバッグをより安心できる内容にする方が良い!
マザーズバッグには、その子のために必要なものがすでに備わっていませんか。
それでは、避難の際にマザーズバッグに足すものも考えてみましょう。
それは、【避難に必要なもの】と【大人が必要なもの】です。
私がマザーズバッグに足す備えはこちら↓
普段から使えそうなものは、小さなポーチに入れてカバンの中へ。
普段使わなさそうなものは、小さめのカバンに入れて車の中に置いています。
(※徳島は車社会なので。)
案外、家にあるものをかき集めるとできちゃった!
足りないものは100均で揃っちゃった!
そんなアイテムたちです。
少し多いですが、リストにしてみました。
【避難に必要なもの】(普段使いのバッグに常備)
- 軍手 1組
- マスク 4枚
- カッパ(大きめのもの、防寒にも活用できます)
- ヘッドライト(両手があくライト)
- ホイッスル 1個 または 防犯ブザー
※ これらはすぐに取り出せるように、リュックの外ポケットに。
※ 袋の中身とは別に、避難の際には頭を守るヘルメットがあると
身の安全を守ることができます。
※ 素早く移動できるようスニーカーも準備しておきましょう。
【避難中の備え】(車や自宅に常備)
- 水 500ml x 2~3本
- 非常食 3食分 (食べやすく、味も好きなものを準備しましょう。)
- 大判ハンカチ 2~3枚
- 消毒ジェル 1個(携帯用)
- 携帯トイレ 2回分
- 救急セット(絆創膏、軟膏 等)
- カイロ、小型扇風機 等(季節により必要なものは異なります)
※ 荷物に余裕があるなら、水と非常食を増やしましょう。
【避難所で使うものなど】(車や自宅に常備)
- 常備薬 3日分 避難所では入手が困難です。常に新しいものに差し替えましょう。
- 口腔ケア用品(歯磨きシート、歯ブラシ、フロス、ガム 等)
- 生理用品/下着 3日分
※ 女性の生理用品は、避難所に置いていない場合もあります。
※ 下着は干す可能性も考えて、下着に見えにくいTシャツ地の地味なものや、
ブラトップなどがおすすめです。
- ケータイ充電コード 1個
※ 機種変更で増えたら一つを持ち出し袋へ。 - 発電ライト&ラジオ 1個
※ スマートフォン充電機能付のものがおすすめ。 - ビニール袋 大2 小6
- エマージェンシーブランケット 2枚(大人用、子ども用)
- 小銭/身分証コピー/連絡先/家族写真 等
いかがですか?
マザーズバッグには、ミルクやオムツ・着替え・お菓子を普段から少しだけ多めに入れておく。
そして、家や車に【大人が必要なもの】や【避難中の備え】を+αで準備しておく。
このような小さな備えを積み重ねていくことで、
「何から備えて良いかわからないのが不安」は、クリアになっていくのではないでしょうか。
それでもいざというとき人間は「自分だけは大丈夫」と思ってしまう生き物です。
(これを正常性バイアスといいます。)
そういったことも知った上で、本当に事が起きたとき、
自分の命、家族の命を守るための行動をとれるよう、心の準備もしておけたら良いですよね。
これまでにも、いろんな視点での防災のお話を、ラジオやブログでも発信しています。
みなさんの災害への備えのきっかけに、過去のラジオ放送を聴いてもらったり、
ブログを読んだりしてみてくださいね。
▼ラジオとくしま防災委員会 ホームページ
https://peraichi.com/landing_pages/view/radiotokushimabousai791/
▼とくしまの防災知っとく?~ママ防災士 瀬戸恵深のひとくちメモ~
https://megood15.hatenadiary.com/
作成者 瀬戸恵深さん(ママ防災士・エフエムびざん ディレクター)