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地域の一員として災害に備えよう!

コラム作成者:徳島県肢体不自由児者父母の会連合会徳島支部「にんじんの会」 圓井 美貴子

「もしも、大きな地震が来たらどうする?」「もしも、避難指示がでたら・・・」

特に身体に重度の障がいがあり、自力で避難できない子どもと家族は、その答えにやっぱり躊躇してしまいます。

「家が壊れる等危険な状態にならない限り、家にいる。」

おそらく、そう考えている方が多いと思います。でも、家にいられるための備えも必要。また、家を出なければならない時はどうするか?
いずれにせよ、災害時に一番心強いのが地域の人の力であり、障がい児と家族もしっかりと地域の一員でいることが大切です。

日頃から、障がいのある子のことをきちんと伝え、知ってもらいましょう

「Aちゃんは〇〇町に住んでいて、車椅子で生活してる。お母さんがいつもAちゃんの介護してるけど、もし腰を痛めたりしてたら抱っこできないかも・・・応援に行かなくちゃ!」

「Bちゃんは重度の障がいでストレッチャーに乗っている。しばしばタンの吸引も必要だ。地震が起きてもしも電気が止まったら、早く発電機などを持ち込んで機械が使えるようにしてあげないと!」


児童館の子ども達と交流。車椅子も上手に押せるよ!

例えばこんな風に、災害時に困難な状況になりがちな障がいのある子と家族に地域の人が気付いて、必要な情報を伝えたり、子どもの介護を手伝ったりというような手助けが本当にありがたいのです。
その為には、普段から障がいのある子の情報をきちんと地域の方々に知っておいてもらうことが大切です。
地域のお祭り、清掃活動、学校関連の開放行事など、地元の小中学校に通う子は勿論、地域を離れて支援学校に通っている子も積極的に出かけましょう!そこで、いろいろな会話や交流が生まれれば、いざという時にも「〇〇ちゃん、大丈夫かな?」ということに繋がっていきます。避難しなければいけない時にも、大きな支えとなります

防災グッズに加えよう!

障がいのある子が備えておきたい防災グッズも考えてみましょう。
「介護の手助けをお願いしたい」「少し、子どもを見ていて欲しい」と思っても、緊急時にひとつひとつ落ち着いて説明できないかもしれません。子どもの障がい特徴や関わり方のコツ、好きなことや安心すること、いつも飲んでいる薬、車椅子の操作の仕方といった、本人と関わるのに必要なことを、わかりやすく完結にまとめて記載したものを用意しておくことも有効です。
また、医療ケアが必要な子には、常備薬や、医療ケア用品を最低1週間分は他の防災グッズとともに準備しておき、母子手帳、お薬手帳も一緒にまとめておくといいです。
さらに、お薬を備蓄品に入れることで、「入れ替えをしなくちゃ!」と思い易くなります。お薬を入れ替える時には、他の備蓄品の確認入れ替え、子どもの成長を考えて必要な支援記載の再確認もできます。

重度な障がいの方にも優しい防災食


飲み込みやすい防災食

重い障がいのある方の中には、飲み込みが難しく、ミキサー食、ペースト食を必要とする方もあります。誰でも、食べられないことで肉体的にも精神的にも落ち込んでしまいます。こういった方の為に、滑らかで粒が無く飲み込みやすい防災食もあります。是非、ひとりひとりのことを考えた防災食も備えましょう。

障がいのある子も含めて、みんなで窮地を乗り切る!

困難な状況では、みんなができる事を理解し合い、行動し、支え合うことが必要です。マニュアル通りにいかない事も沢山あります。でも、必要な備えと、家族の行動の情報共有、理解ある地域の人達の存在があれば慌てることはありません。障がいのある子の癒し力も、窮地におけるみんなの心の支えになります。
こんなふうに、障がいのある子と家族の孤立化を防ぎ、災害時もみんなで共に乗り越えていきたいと思います。

徳島県肢体不自由児者父母の会連合会徳島支部「にんじんの会」


ポランティアフェアで中学生と演奏するミックスジュース

様々な障がいをもつ子ども達と家族の会で、互いに親睦を深め、悩みを分かち合いながら、どんなハンディを持つ人も生き生きと過ごせる社会環境を願って活動しています。夏休みイベント、クリスマス会、遠足といった親睦活動や勉強会も行っています。
音楽サークル「ミックスジュース」は毎月活動し、地域の文化祭や各種イベントで演奏発表をしています。定期的に中学生など若い仲間達と交流するコンサートも開催しています(H28年3月開催予定)。
活動にはボランティアも参加し、多くの仲間と共に、子ども達の素晴らしいパワーをプラス思考で社会にアピールしています。地域に開かれた活動で、沢山の皆さんと出会い、伝え、楽しさを共有したいという思いで活動しています。


車椅子メンテナンス講習会開催

またH25年に、にんじんの会他、県内7つの障がいのある子どもを持つ親の会を統合した徳島県肢体不自由児者父母の会連合会が発足し、県内の多くの仲間達とともに、関係者や一般の方々も参加できる講演会やイベントの開催、また、障害児者の教育や生活全般の相談にも応じています。
県内の各支部が手を繋ぎ、全国の仲間達とも繋がり、子ども達が地域で生き生きと過ごせるように、今後も人の輪、心の輪を広げて社会に大きくあたたかな風を起こしていきたいと思っています。

 

 

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