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災害時の母子の避難について

マグニチュード8~9クラスと言われている南海トラフ巨大地震は今後30年以内に70%の確率で発生すると言われています。もし発生すれば、徳島県はもとより西日本全体に甚大な被害が予想されます。

徳島県助産師会では、災害対策委員会を設置して女性と子どもとその家族を対象に災害時の対策や日頃からできることなどをミニ知識として冊子を作成し、講座やイベントなどで紹介しています。必要なときはいつでも声をかけて下さい。また、災害時に備えて地域の母子のために開業助産所にミルクやおむつなどの物資を配置しているので、困ったときはぜひ最寄りの助産所を利用してください。

災害時に最も重要なことは、いのちを守ることです。そのために普段から各家庭でできることはたくさんあります。他人事と思わず家具の固定や配置等家庭内の安全確保、避難時の持ち出し品や非常食の準備等できることはしておきましょう。

災害時の避難方法についてですが、まずはいざという時どこに逃げるのか、家からの距離、安全性等実際に確かめておきましょう。そのうえで子どもの状況や緊急性に合わせてどう逃げるか、普段から考えておくことが大切です。

*妊婦さんは足元に十分注意して、特に予定日が近いお母さんはお産用品を持って逃げる事が大切です。入院グッズとして早めにまとめておくとよいでしょう。

*首が据わっていない赤ちゃんは、抱っこ。抱っこは赤ちゃんの顔を見ながら移動でき、様子もよくわかります。抱っこひもやスリングなどを使って、赤ちゃんを密着させて抱っこしましょう。転んだときは赤ちゃんが危険です。足元に気をつけて転ばないようにします。

*首がすわっていたら断然おんぶ。災害時は、両手が自由になる方が逃げやすいです。普段からおんぶの練習をしておきましょう。

*3~4歳からはしっかり手を引いて避難しましょう。

   *5歳くらいなら話して聞かせればわかるので「お母さんがいなくても一人でも逃げる」ことを教えていきましょう。

   *避難時は必ず子どもに名札を付けておきましょう。

   *災害発生時でもここなら安心という場所を家の中でつくっておきましょう。

   *できる限り母乳育児を進めましょう。災害時、食料が届かなくても、母乳なら赤ちゃんに与える事が出来ます。

   *何もなくても、子どもを退屈させない方法(手遊びやお話をする、絵本、身体を使った遊びなど)を知って、普段の生活の中で試しておきましょう。

避難所では妊産婦の健康管理、異常の早期発見やプライバシーの確保、トイレ、下着・生理用品、洗濯干し場、子どもの遊び場やおもちゃ、子どもが泣いても気を使わないでいい場所の確保、子どものアレルギー対策、感染予防などを考慮して対応することが必要です。災害弱者対策は、ともすれば後回しになりがちですが、弱者が安心できる場所こそ、全体が安心できる安全な場所です。いたわり合い、励まし合いながら危機を乗り越えることができるよう普段から隣近所その他できるだけ顔の見える関係づくりをしておきましょう。
 
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お母さんと子どものために作成した冊子(必要な方は徳島県助産師会へ(088-652-2293)
※数に限りあり

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さらしを使っておんぶの練習

緊急お産に備える災害時簡易分娩セット

コラム作成者:(一社)徳島県助産師会顧問 小島泰代

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