徳島駅ビルクレメントプラザ６階にある徳島県国際交流協会（ＴＯＰＩＡ）をご存じですか？
また、徳島にはいったい何人くらいの外国人の方が長期で住んでいらっしゃるか、ご存じですか？

ＴＯＰＩＡは平成２年６月に「地域の国際交流」を推進するため設立された組織です。近年は約７０の国や地域から、およそ5,000人の外国人の方が、ここ徳島県で暮らしておられます。そのような多様な文化的背景を持つ人々が、互いに理解し尊重しあえる「多文化共生」の社会を目指した、国際化推進による「地域の活性化」と「国際協調」につながるさまざまな事業を当協会ではおこなっています。

生活相談・観光案内	日本語教室	日本語教室託児
外国人による日本語弁論大会	阿波おどり	夏休み子ども日本語教室
学校等への国際理解講師派遣	中高校生夏期英語セミナー	ホームステイ・ビジット

（詳細はとくしま国際戦略センターホームページをご覧ください：　http://www.topia.ne.jp/　）

このような様々な事業の中で、防災に関するものとしては十数年来、在住外国人対象の「防災スタディツアー」などをおこなってきましたが、異常気象による台風などの災害の巨大化に伴い、また、東日本大震災以来、南海トラフの巨大地震が危惧される近年、在住外国人に防災意識の啓発をはかり、このような災害から彼らを守ることは、当協会にとりましてもさらに大きな役割のひとつとなってきました。

　地震大国と言われる日本に住んでいる私たちにとっては、保育園から小中高そして社会人になっても、避難訓練をする機会が当たり前のように与えられていますが、世界の多くの国では、このような避難訓練があることは少ないようです。

さらに付け加えるとするならば、東日本大震災などで巨大地震や津波のことをテレビなどで見て意識し始めた外国人は増えてはいますが、母国で地震などを体験したことがない人が多いのも事実です。

そのような現状の中で、当協会では折に触れ「徳島で巨大地震がおこったとしたら、どのような状態になるのか」、また「その災害に備え日ごろからどのような準備をしたらよいのか」ということについて伝え、防災意識の啓発をはかり、在住外国人の方が災害弱者にならないようつとめています。

毎年1回、防災月間の9月に北島町の県立防災センターに在住外国人対象のスタディツアーとしておもむき、映像による防災ガイダンスや、地震体験、消火体験、煙体験、暴風体験などをおこなっております。また、東日本大震災の翌年には、徳島版の「地震から命を守る防災ハンドブック」と「緊急カード」（やさしい日本語・英語・中国語併記）を作成、配布し、それらを活用しての防災出前講座を日本語教室や、留学生のいる学校、団体からの要望にこたえて行い、防災意識の啓発に取り組んでいます。

防災スタディツアー
また、当協会で防災スタディツアーは「とくしま外国人支援ネットワーク会員」制度の中で、語学や災害時ボランティアなどの登録をしていただいたり、地震や災害に関する講演会や通訳スキルアップ講座なども開催し、いざという時のために、在住外国人をはじめ、徳島を来訪する外国人観光客を支援する体制づくりに県とともに取り組んでいます。
 

防災出前講座

防災ハンドブック・ボランティア登録

しかしながら、一番頼りになるのはなんと言っても、その外国人の方と直接対応する地域の皆様、お一人おひとりです。私たち日本人と文化や慣習、生活習慣、宗教などが違うことや、言葉が通じないことで、時には、戸惑いがうまれることがあるかもしれません。それでも、大切なのは、そんな心の壁を取りはらって、近所に住むお隣さんとして、日ごろから接していただき、困ったときにはお手伝いしていただけるのが一番なのではないでしょうか。