こんにちは。佐々木由紀と申します。「『親と子と地域の手』をつなぐきっかけづくり」ができればいいなと、「なるとにし てとてとて」を2013年に立ち上げ、鳴門市で活動しています。2022年に徳島大学の学生に混じって防災減災基礎講座16回を受講し、試験を受けて防災士になりました。
ここ数年は「地域における防災」を意識しながら、地域のさまざまな取り組みに携わってきましたが、その中で感じたことや気がついたことをシェアできればと思います。
(写真:小学校での段ボールジオラマを用いた防災授業)
【知ることが始まり】
以前、高校生・大学生や若い独身の方達が集まる会に子育て世代パネリストとして参加したときに、「自分たちは何かお母さんお父さんたちのお役に立ちたいと思っている。何をやって欲しいですか?」と質問されました。
私は、「次出会った時に、挨拶してほしい。」と答えました。
助けて欲しい「時と内容」は一概には言えません。また、全く見ず知らずの人に突然「助けてあげます」と言われるのはかえって怖いですよね。けれど、少しは話したことがある、顔見知りのような間柄なら、何かの時に相手の困りごとを想像しやすく、手助けもお願いもしやすくなります。さらに、地域のお祭りや清掃活動などを一緒にやったことがあれば、よりその人を知っているので安心です。それに子育て世代は一方的に助けてもらう立場でもありませんよね。子育て世代だからこそ色々な方の手助けになることもできますよね。
(写真:中学校での減災マップ作り・避難リュック作り)
【自然のめぐみ vs 自然の脅威】
徳島県は海も川も山も身近にあり、さまざまな自然の恵みをいただいています。一方で、自然が身近なので災害が起きた時に被害が大きくなる傾向があります。
どちらを取るか…、なんてできるわけありません。防災教育はみんなを怖がらせることが目的ではなく、自然の恵みを感謝し心から堪能しながらも来るであろう災害に正しく備えるためのものです。過度に怖がってやり過ぎる必要はありませんが、『自分は大丈夫なんじゃないかな〜』と何もしないのはみすみす命を捨てるようなものです。
機会があればぜひ親子で防災に関わるイベントなどにも参加して、情報のアップデートを行なってくださいね。
【自助・共助・公助の輪】
「自助・共助・公助」についてお聞きになったことがあると思います。(災害対策の基本的な取組。自助:自分の命や財産を自分で守ること。共助:地域やコミュニティで助け合うこと。公助:行政や公的機関が取り組むこと。)
先日避難所運営訓練の際の、被災地での避難所運営に数多く関わった講師のお話が印象に残っています。
「大きな災害が起きたときは、どの立場の人も等しく被災者となり、平時ならばできることができなくなってしまうので、それぞれの輪がグッと小さくなるんです。けれども大切なことはこの輪が重なっていることです。被災した時『これは〇〇がすべきこと。私がすることじゃない。』と切り分けずにみんなできることを少しずつやって、そしてつながりを切らさないでいてほしいのです。それが復旧復興への第一歩です。」
平時から、属性(年齢や家庭事情など)の違う人達とがっつり繋がる必要はありませんが、ゆるく知り合っておくことはお互いにとっても地域にとっても有益なのだなあとあらためて思いました。
作成者 佐々木由紀(徳島大学AWAサポートセンター 特任講師)