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海外子育てこぼれ話

こんにちは。私はオーストラリア、ゴールドコースト在住の久美子と申します。この冬、籠屋町のすきっぷさんで「海外子育てこぼれ話」をさせていただいた折に、このコラムを依頼されました。「子育てコラム」に何を書けばいいかなと千思万考しましたが、今回は豪州の保育所事情についてお話ししたいと思います。

まずは私のバックグラウンドですが、私は現在、大学で日本語と日本社会学を教えるかたわら、11歳と6歳の男の子の子育てをしている、いわゆるワーキングママです。主人はトルコ系のオーストラリア人です。

このコラムを読んでらっしゃるママの中には、育休中で将来仕事復帰を控えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。仕事復帰で一番鍵になるのが保育所探しですよね。首都圏などの大都市では、待機児童の問題がよく取り上げられていますが、徳島ではどうなのでしょう。

私は長男が2歳の時に、育休を終えて豪州に戻ってきましたが、やはり保育所探しから始めなければいけませんでした。こちらでは保育所はほとんどが私立ですが、大学や病院の付属の保育所もあります。クイーンズランド州では「Family Day Care」「Long Day Care」「Kindergarten」が幼児向けの保育施設になります。「Family Day Care」は、少人数での家庭保育で、保育の資格を持った先生が4人まで自宅で保育をしてくれます。「Long Day Care」は日本と同じような保育所、「Kindergarten」は幼稚園で、小学校に上がる前の一年間、国の指針に則った幼児教育をする施設です。ただ、「Long Day Care」でも、就学前の子ども、つまり年長さんに幼児教育をするところが多く、わざわざ「Kindergarten」に入れ直さない家庭も多いです。

保育所探しは、オーストラリア政府が管理しているサイトで近隣や希望の保育所を検索することができます。このサイトは優れもので、料金や受け入れ年齢などの保育所の情報だけでなく「National Quality Standard」という国が定めた五段階評価も載っているのでその保育所の保育の質もわかります。私は、職場から近いのと、評価がいいのとで、長男も次男も同じ保育所に入れましたが、今でも本当にいい選択だったと思います。

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待機児童の問題も、大きな都市ではあるようです。また人気の保育所は入りにくいという話も聞いたことがあります。日本と同じように、両親が二人ともフルタイムで働いていたり、勉強をしている、または職業訓練をしているなどの理由がある家庭は優先順位が高く、国が補助してくれる保育の時間数もそういった事情に合わせて決められます。例えば、一番優先順位の高い共働き家庭は、週に上限52時間の保育を受けることができ、その時間内であれば補助金がもらえます。ビックリしたのは、働いていないママでも、週に三日までなら保育所に子どもを預けられることでした。もちろん補助金も受けられます。どうもママたちのリフレッシュのためのようで、その日は美容院に行ったり、ジムに行ったり、ママ友とお茶したりとリラックスする人もいれば、子どもがいたらできない用事をすませているようでした。

私は日本の感覚で、フルタイムで仕事をしている家庭は子どもを毎日保育所に預けるのが当然だと思っていたのですが、実際預けて見ると、毎日通ってる子どもはかなり少数でした。共働きでも、週の何日かはおじいちゃんやおばあちゃんの家で過ごしたり、ママもパパもフレックスタイムを利用して、子どもが毎日保育所に行かなくてもいいようにしているようでした。また、子どもが小学校に上がるまでは、同じ職場でもパートにしてもらっているママもいました。小さいうちは子どもとたくさん過ごしたいと子ども中心に生活全般を変えている家庭が多いことも驚きでした。それが可能なのもオーストラリアのいいところかもしれませんね。

長男は日本の保育所にも少し通っていたので、日本の保育所との差に驚くことも多々ありました。保育所によっては、食事がつくところもあるのですが、うちの子どもたちが通っていた保育所は、お弁当とおやつを毎日持っていかなければなりませんでした。これが毎日なので、特に小さいうちは「バランスの取れたメニューを」とそれなりに真面目に考えていたので大変でした。今は長男も次男も小学校に上がったのですが、やはりお弁当とおやつは持参です。ただ、メニューはかなりいい加減になってしまいました。

そして、一番のびっくりは保育料です。毎年物価上昇に伴って保育費が上がって行ったのですが、長男の時が一日60ドルでこれでも高いと思っていたのに、次男が保育所最後の年には一日86ドルまでになっていました。円に直すと少し安くなりますが、感覚的には一日8600円です。これにCCBという収入に応じての政府からの補助金と、CCRといって保育所に自腹で払った料金の半額を3ヶ月ごとに国が払い戻してくれる制度があるのですが、それでも保育料はかなり高いです。ですから、次男が保育所が終わった時には、口座の残高の減りが少なくなりリッチな気分になったものでした。

保育の仕方も日本とはかなり違っていて、戸惑うことはあったのですが、日本も豪州も「子どもの幸せを一番に!」という基本は同じです。ですから安心して毎日保育所に子どもを預けることができました。仕事に追われて忙しい日々の中で、お迎え時に保育士さんと子育ての相談など、おしゃべりした日々が今となっては懐かしいです。

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コラム作成者:久美子ママ

 

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