トップコラム食育コラム食物アレルギー

食物アレルギー

私たちは徳島県内外で食育活動を行っている「とくしま食育推進研究会」です。
活動として離乳食教室を行ったり、小児科で栄養相談をさせていただいたりしています。
その中で、「食物アレルギー」についての話題もよく出てきます。実際にアレルギーを持つ子どもや、離乳食を始めるのだけどアレルギーが気になっている等々…。
今回は食物アレルギーについてお話したいと思います。

◎食物アレルギーとは?
 私たちの体には、病原体から体を守る「免疫」という働きがあります。食物アレルギーは、この免疫が食べ物に対して過敏に反応してしまうようになった状態をいいます。食物アレルギーは、食物を食べた時だけではなく、触ったり吸い込んだ時にも起こります。

◎食物アレルギーの有病率
 診断基準や調べ方によっても変わってきますが、乳児で5~10%、幼児で約5%と推計されています。
 食物アレルギーが心配で、離乳食を始める前に血液検査を希望されるお母さんや、卵や牛乳は1歳を過ぎてなるべく遅く開始しようとされるお母さんもおられます。
 しかし上記のデータから、9割の子どもは食物アレルギーを持っていないという事になります。
特に卵や牛乳は成長期に必要な栄養がたくさん含まれています。不足すると体重の増加が鈍くなったり貧血になったりと言う場合もあるので、自己判断での除去は避けましょう。
また、妊娠中に卵や牛乳の摂取を止める事がアレルギーを予防するという科学的なデータはありません。授乳中も医師の指示がない限りはその必要はありません。妊娠中や授乳中は、普段よりも沢山の栄養を必要とします。バランスよく食べて、お母さん自身が元気に過ごせるように心掛けましょう。

◎食物アレルギーと診断されたら
 実際に食物アレルギーと診断された場合には、医師の指示に従って除去を行いましょう。卵にはたんぱく質と鉄分が、牛乳にはたんぱく質とカルシウムが多く含まれています。これらを他の食品で補いながら、バランスよく食べられると良いですね。
 乳幼児期に発症した食物アレルギーの多くは、成長と共に良くなることが多いです。特に、卵・牛乳・小麦は治りやすいと言われ、3歳までに卵で約40%、牛乳で約60%が治癒するというデータもあります。
 しかし、どうせそのうち食べられる様になるから・・・と完全に除去したままでいると、実際に食べられる様になっても、除去していたものを避けてしまう子どもさんも見受けられます。食物アレルギーがある場合も、「これを食べたらかゆくなるからダメよ」ではなく、「今は食べられないけど、先生が食べてもいいよと言ってくれたら、美味しいから一緒に食べようね」と、子どもさんがプラスに思える声掛けをされると、解除もスムーズに進みやすいと思います。

_______1.png

 

~食事バランスの手~
5本の指でたしかめよう! とくしま食育推進研究会考案

 

 

 

卵1個分のたんぱく質(6g)

肉・魚・・・30g
絹ごし豆腐・・・120g
高野豆腐・・・15g
納豆・・・40g
きな粉・・・大さじ3

卵1個の鉄(1mg)を含む食品

切干大根 10g
ごま 大さじ1
小松菜 36g
焼き海苔 3枚
きな粉 大さじ2


コラム作成者:とくしま食育推進研究会  濱田 容子

トップへ戻る
チャットボット:何でも聞いてね

チャットボット

閉じる