トップ支援者・団体向け研修会情報研修会報告平成28年度 第1回 被災児童保育ボランティア養成講座

平成28年度 第1回 被災児童保育ボランティア養成講座

日時

平成28年8月18日(木)13:00~15:00

場所

ときわプラザ 研修室

参加者数

42名

「危機を経験した子どもへの支援~日常生活に潜む要因から学ぶ心のケア~」

講師:土岐 祥子さん(日本ストレスケア研究所 研究員)

土岐祥子さん 第1回講座風景

 いじめや性暴力被害、養育者からの虐待や親しい人の死など、子どもの心と身体に大きな影響を与えるトラウマとなりえる出来事は、自然災害だけでなく日常に数多く存在しています。第1回では児童精神科医療をはじめ予防的教育啓発活動・実証的研究にも取り組まれている土岐祥子さんに、日常に潜む危機や危機を経験した子どもの反応、支援の方法などについて具体例と共に教えていただきました。

なぜ日常に潜む危機なのか

・トラウマとなりえる出来事は自然災害だけでなく、日常生活に数多く存在する。
・出来事の種類にかかわらず、危機を経験した子どもの反応や支援は共通するものが多い。
・自然災害時の子どものケアのためには、日常に潜む危機(トラウマとなりえる出来事)に目を配り、その影響を受けた子どもたちのケアを1つ1つ積み上げていくことも重要である。
・トラウマの影響は、過去に体験したトラウマとなりえる出来事にも左右される事が多い。

トラウマ反応

・危機を経験すると、子どもたちは心と身体に大きなストレスを受ける。
・大きなストレスへの一般的で自然な反応として、身体・行動・気持ちに、様々な変化が現れる。
※家庭内で何か暴力があってもいい子にしている子は、「いい子にしている事」がトラウマ反応であることもある。

  多くの子どもは、危機を経験して数日以内には何らかの変化を現すが、中には後になってから変化を現す子どももいる。また、多くの子どもは、トラウマ反応が出ても、一時的で、1か月以内に収まる。ただし、回復まで数か月~数年かかる場合もある。

 どのようなトラウマ反応が、いつ、どれくらいの期間現れるのかは、それぞれの子どもごとに違う。そのため、地震等が起きた後、多くの子どもが回復してきた中で、まだ回復していない子どもに「他の子は前を向いてやっているじゃない」といった声掛けをすると、その子どもは二次被害を受けることになるので注意が必要である。

子どものトラウマ反応の主な特徴

・退行現象(赤ちゃん返り)
・身体症状(頭痛、腹痛、おねしょ、下痢、発熱、吐き気、食欲低下、チック等)
・恐れと不安(何かを怖がる/避ける、分離不安、突発性のパニック等)
・睡眠障害(不眠、悪夢、夜驚等)※夜驚:夜中に突然叫ぶ、歩き回る
・再現遊び
・落ち着きがない、集中できない
・攻撃的な言動
・自責感、無力感、孤立感

危機を経験した子どもに大人ができること

①物理的な安全・安心を確保し、危機を終わらせる。
②安心・安全感を醸成する。(スキンシップ・出来事について具体的に説明・大人が落ち着く)
③子どもの様子をよく観察し、様々な反応に対応していく。(退行現象・フラッシュバック・身体症状)
④危機を経験した子どもに様々な反応が出ることは自然のことであり、それが普通だと説明する。

支援者として心がけたいこと

・子どものトラウマに対する自分の反応に気をつける。・同僚や家族と自分の気持ちを分かち合う
・自分にできることには限界があることを理解し、対処できないと思う場合は信頼できる人に相談する。
・長時間労働を避け、定期的に休憩を取る。
・自分に合ったストレス発散方法を積極的に利用する。

感想

  • 講義内容は理解しやすく、そうだ、そうなんだと、うなづくことが多く、ボランティア(サポート)する立場の意識を改めて思い出し、自分へのチェック、言い聞かせができました。 
  • より具体的で分かりやすかったです。本日参加できなかったスタッフにも伝えたいです。
  • 災害時だけでなく日常生活における危機についてお話し下さったので大変役に立ちました。勉強になりました。
  • トラウマが長期にわたることもあると聞いて驚きました。また、子どもがいい子すぎるのも危険ということにも大変驚きました。

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