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赤ちゃんとの暮らしのなかに絵本を

徳島県で絵本屋をやっています、船田浩希と申します。
今回は、私が“絵本屋になる前”のこどもとのエピソードを書かせていただきます。

6年前、我が家に第一子が誕生したときのこと。
喜びが大きかったのはもちろんですが、その反面戸惑いもありました。

それは、オムツ替えや寝かしつけ、沐浴などを始めとした生活全般における育児が初めてだったこともありますが、もう一つ大きな問題がありました。それは、赤ちゃんとの「関わり方」です。 

 振り返ってみると、私が生まれ育った地域、そして年代は、徳島県内でも少子化が急激に進んだ場所。もちろんこども時代に周りに赤ちゃんを見ることは無く、どうあやしたり言葉がけをしたりしているのかという「お手本」は皆無でした。

少し大きくなって一緒に遊んだりできるようになれば話は別ですが、それまでの間、自分はどうやってこの子に関わればいいのだろう?そんな時に私の強い味方になってくれたのが「絵本」でした。


乳児期、特に生後数ヶ月~10ヶ月頃における絵本の良さは、何といっても身近な大人の「」を届けられることです。
赤ちゃんは沢山の言葉を“語りかけてもらう”ことで、愛情や喜びを感じ、言葉への感覚を身につけていきます。当たり前のように聞こえますが、電子メディアが急速に発展していく時代で、この価値は一層高まっているように感じます。

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そして1歳を迎える頃、それまでは、絵本をじーっと見ているだけであったり、絵本を噛む・破くなど、絵本がどんなモノなのかを試している時期だったものが、今度は「読んで!」と絵本を持ってくる姿が見られるようになってきます。こどもが自分から絵本を読んでもらうことを選び、それを大好きな大人と叶えられることはどれだけ嬉しいことでしょう。

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絵本のもう一つの良さは、「大人がそこにいてくれること」です。スマートフォンの普及で、家庭内でもそれぞれが別々のメディアを見ているということは当たり前の光景になりました。テクノロジーとは逆行するように、絵本は「一緒にいる」時間をつくってくれます。この「一緒にいる」時間がどれだけこどもの心を育ててくれるでしょう。そして、私たち大人にもどれだけの思い出を作ってくれるでしょう。

もちろんこどもの発達には個人差が大きく、昨年我が家に誕生した第三子も、姉たちとはちがった絵本の楽しみ方をしています。ここに書かせていただいた通りの楽しみ方になるとは限りませんが、赤ちゃんとの暮らしのなかに、絵本の楽しみを取り入れていただけたらと願っています。

作成者 徳島こどものとも社 船田浩希

 

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