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「家族で24時間ノーライフライン生活」のススメ part1

ボランティアグループ「ぴーなっつ」の新米防災士、ハマーです。

今回、防災コラムを書く機会をいただいたので、11月のとある日、以前からやってみたかった「ノーライフライン生活」にチャレンジすることにしました♪小難しいものではありません。電気、ガス、水道が使えなくなったと仮定して今あるもので生活してみる、ただそれだけです。
結果として本当にやってみてよかったので、「家族で24時間ノーライフライン生活のススメ」と題して、実録レポートをしたいと思います。読んで疑似体験してみてくださいね。

◎ 目的
(家は無事という設定で)災害時のようにライフラインが使えなくなったと仮定して家族で生活し、現状で何が困って何が足りないのかを把握する。また、水や防災グッズはどれだけの量が必要なのかを体感する。

◎ 方法
・土日を利用しての24時間。お昼12時スタート
・原則家族全員参加(ハマー家は子ども中3・小6・小1の3人。5人家族)
・水道は元栓を閉める。ポリタンクに貯めてある水を使う。飲料水はペットボトル
・電気はブレーカーを切らず使わないだけ(冷蔵庫など困るから)
・ガスは使わず、調理はカセットコンロ
・トイレは今回の為に非常用トイレを購入
・防災グッズを使ってみる

防災グッズは日常とかけ離れ過ぎると備えにくいと思っています。高価な防災グッズは性能が良いのはわかっていても、家族分備えるのは大変です。また、常日頃全く使わないものでは使用効果もわからず点検もしません。そこで、買い置きしていたプチプラで気兼ねなく使える100均防災グッズをこの機会に色々使ってみました。


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※100均にもたくさんの防災グッズがあります。

さあ、お昼12時!水道の元栓を閉めて、スタート!

~お昼ご飯~

各々好きなカップ麺、家に残っていた賞味期限切れの非常食アルファ米。

カセットコンロでお湯を沸かすだけなので余裕余裕♪子ども達も好きなカップ麺が食べられてご機嫌です。アルファ米もお湯を注いで15分待つだけでほかほかご飯の出来上がりです。そして、食後には大好きなコーヒー。しかし、お昼ご飯だけで飲料水を2リットルも使用しました。カップ麺は飲料水がたくさん必要です。

~トイレ~

昼食後、とうとう買っておいた非常用トイレを使う時がやってきました。ちょっと、いや、かなりドキドキです。こんなときだけ一番はじめを譲り合うハマー家。一番を譲られたのはやっぱり父ちゃんでした(笑)。

黒いビニールをトイレに2重にセットし固める粉を入れます。その後、用を足し、固まったら上のビニールだけ外して口を縛って捨てます。徐々に慣れるものの、ビニールの中にするということにやはり抵抗を感じます。汚物をいちいち捨てて再々ビニールをセットし直すことも面倒で、みんながトイレを嫌がります。嫌なのでトイレを我慢しちゃうんですよね。そうすると水分の摂取も少なくなります。これがもし避難所だとすれば尚更です。高齢者や幼児は気をつけなければ本当に脱水になるなあと感じました。追い打ちをかけるように食後に飲んだコーヒーが効いてきました。カフェイン、やはりトイレが近くなります。・・し、失敗。

手洗いは蛇口付きポリタンクを洗面所にセットして行いました。これは水道のように使い勝手が良かったです。
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※那賀町で作られている国産杉を活用した木粉非常用トイレ(50袋セット)。杉が持つ消臭性を利用し臭いを防ぐ。
洗面所に置いた蛇口付きポリタンク(写真右下)。

 

~午後、公園行っちゃう~

お昼はあたたかく明るいので特に困ることもすることもなく(実際の災害ではそうはいきませんが)、夕飯までちょっとフラフラと近所の公園まで散歩・・・・しかし!これが間違いでした!後でものすごく後悔することになるのです。

~17時、夕飯準備~

薄暗くなってきたのでランタンを付けて調理開始。
夕飯は防災ポリ袋クッキングに挑戦です。ハマー家はキャンプに行くのでコールマンのLEDランタンとスマイルランタンを持っています。それにプラスして100均で購入したLEDランタンも3つ使用し、自宅内キャンプ気分でいざ準備準備~♪
お、おや?・・・・暗い?暗いです!これだけのランタンがあるのに、17時を過ぎるとみるみる暗くなり、調理もままならないどころか足下も見えにくい!それに、家の中を家族が個々に動くので灯りはひとりに一個必要となります。トイレに行くにも洗面所に行くにも灯りを持って移動。暗いのに・・・ご飯、まだ!・・・片付け、まだ!
何をするにも見えにくく、洗濯物もしまえず、片付いていない部屋の中のおもちゃを踏んづけてしまいます!い、いたーい!
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※これだけの灯りを使用しても暗い。左右端のランタン以外は全て100均。
中央3つの黒いランタンは伸縮式LEDランタン(100均の300円商品)。単三3本で48時間点灯、明るく、スライド式なので、スイッチボタンを探さなくて良いので使いやすい、オススメ。ヘッドライトは本人以外が眩しい。小さいライトは持って使うコンパクトなホルダーライト。棒状のものは24時間発光する液体の発光ライト。

 

そうです、キャンプ場とはわけが違います。キャンプ場はランタンを使うけれど外灯もあって明るいです。災害時は真っ暗。ランタンつけても暗すぎる!今頃気付く、日中の明るい内に片付け・ご飯ぜーんぶ済まして寝るだけにしとかなあかーん!
そして、日頃の片付けがとても大事!地震などでものが散乱しないように出来るだけ部屋をスッキリさせておかなくては、この暗がりではちょっとのものでも本当に怪我をする!てゆーか、もう色々踏んだよ!子ども達!なんでちゃんと片付けてないのよ~!何をするにも時間がかかってイライラ。子ども達もどうしていいかわからないので母ちゃんを呼ぶ回数の多いこと多いこと!
えーい、気晴らしにコーヒーだ。ぎゃ!粉こぼしたー!掃除機!・・・そうだ、使えんのだった。手で拾わなしゃーない。・・・あぁ、今度ホウキを買おう。
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※ランタンは天井からS字フックで吊り下げると全体を照らして明るい(写真左上)。
コンパクトなホルダーライトもビニール袋を被せると光が分散してランタンに早変わり(写真右上)。
発光する非常用簡易ライトは目印程度にしかならなかった(写真左下)。
テッシュを差し込むだけのツナ缶キャンドルも試してみた。(写真右下)。

頭でわかっていたつもりでいても、身を持って知ることとはやはり違いました。
そして、暗がりの中慣れないポリ袋クッキングに悪戦苦闘。結局、ドタバタと夕食までに2時間もかかりました。くすん。
夜は暗いことを認識した現代人ハマー。災害時は、昔の人のように明るいうちに全てを済ますこと!を教訓に・・・

part2へつづく。part2は、こちらから

作成者 ボランティアグループ「ぴーなっつ」(防災士) ハマー

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